パンデミックを受けて、企業そしてサプライチェーンにおける労働環境に、ますます世界の投資家の目が向けられるようになった。英国のファストファッション下請け工場で発覚したスキャンダルは、社会的責任の軽視は、企業の長期的価値だけでなく、事態を懸念した投資家による資金引き上げなど、直接的な経済損失を引き起こすことを示した。
こうした傾向は、日本企業において以前より課題であった長時間労働や、閉鎖的な企業文化などについて、投資家が考慮する良い理由付けを与えたとも言える。また、日本政府が今年10月に発表した「ビジネスと人権についての行動計画」は、日本企業に対して直接的なアクションを求めている。多くの企業が改善に動いているものの、未申告残業、低賃金、過剰なプレッシャーや責任など、搾取の危険性は未だ遍在しているうえ、米政府が評価する日本の人身取引評価が引き下げられるなど、課題は多い。企業やサプライチェーンにおける搾取に対する方針やアクションなどで、日本企業の競争力が試されている。
このウェビナーでは、公正かつ好ましい環境で働く権利のマテリアリティ、S情報の評価効果性について考える。
キークエスチョン:
- 世界、特にEUで、ビジネスと人権についての政策・規制はどう発展しているのか?ビジネスへの影響は?
- 労働条件などを考慮することで、投資家はどんなリスクを回避することができるのか?
- 企業およびサプライチェーンの労働者の権利について、直近のリサーチは日本企業のパフォーマンスをどう評価しているのか?
- ダイバーシティおよびインクルージョンといった既存の方針に、従業員の人権を組み入れていくことはできるのか?
スピーカー:
銭谷美幸、第一生命ホールディングス 経営企画ユニット フェロー、第一生命保険 運用企画部 フェロー、 エグゼクティブ・サステナブルファイナンス・スぺシャリスト
佐藤暁子、ビジネスと人権リソースセンター日本プログラムコーディネーター